第3話 パリのブックオフとサルコジ大統領(1)

2007.05.20

ブックオフがパリのオペラ座の近くに

 先週初めのフランス大統領選は、インターネット上の仮想空間「セカンドライフ」のバーチャル選挙事務所でも注目を集めた。相撲や日本文化を理解するシラク大統領の後継に、若いサルコジ氏が納まった。サルコジ大統領は選挙中に、シラク氏との違いをアピールする為なのか、相撲に不快感を示したようだけど、日本文化まで否定した訳ではない。しかし、今場所の「フランス大統領杯」は、まず無さそうだ。

 文化の都パリ(表現が古いなぁ)の日本熱は微温だが、アニメや漫画の活躍でブームは長く続いている。市内には日本人の他にも、アパレル関連やデザイン関係者も多く、日本語に嗜むフランス人が結構居ると聞く。

 ユダヤ系フランス人と一緒になった弟は、かれこれ30年近くパリで暮らしている。滞在が永くなるにつれ生まれ故郷の、日本文化を知りたくなるのは出稼ぎ組の常だろう。

 いろいろ書籍を送った時期が続いた。いつの頃からかリクエストが来なくなった。本が重くて送料の方が高い物(イミダスの類)もあるので、正直少しホッとしていた。余りリクエストが来ないので、恐る恐る聞いてみたら、彼の友人ANAの中川好夫キャプテンが欧州航路を飛び始め、パリに寄る折にプレゼントを所望していたらしい。心優しい中川キャプテンの事だから、乗務の度に、弟の息子ミカエルの本まで携えて頂いたようだ。その後、勝新太郎似の中川キャプテンは欧州線を飛ばなくなった様だ。キャプテンのその後も気になるが、またぞろ知恵蔵級のリクエストが、何時また来るのかとチラリと頭を過ぎった。

 正月の国際電話は時差と屠蘇気分も手伝って、何か書籍を送ろうかと言わしめた。弟は、「メルシィー、でも、自宅近くの本屋で結構間に合うよ」と、いつまで経っても潤わない兄の財布と、腹の内を見透かした様に、鼻から抜ける日本語で言い放った。聞けばなんと、その書店は日本のブックオフ

 しかし、彼の自宅はパリ郊外の、ヴァルドマルヌ県ジョアンヴィル-ルポン市だ。その店には、日本語の書籍も結構陳列されているそうだ。早速インターネットを見た。確かにフランスに出店はあったが、彼の勤務先近くのパリ市内オペラ座店1店のみだった。秋にタンマリ仕込んだ、ボジョレヌーボーのせいなのか、それとも長い現地生活が日本語を覚束なくさせ、家と勤務先の区別が怪しくなり始めたのかも知れない。

(続く)