第4話 アマゾンのブラウザー族(2)

2007.06.24

ブログ(日記)も読者の目に留まらなければ始まらない

 人の良い邱永漢さんだから、恐らくその事を気にしているのだろう。まえがきに「タイトルは、東京とか上海とか特定の都市のことではありません。」最終章でも「タイトルですが東京と上海について書いてあるわけではありませんし、二つの大都市の比較をしているわけでもありません。」と言い訳しているようで面白かった。

 本屋の書棚から立ち読み族に目を留まらせるには、一捻りや二ひねりがあるタイトルは有効だし、著者や編集者の力量だ。同様にインターネットのホームページやブログ(日記)も読者の目に留まらなければ始まらない。最新のデータは知らないが、ある程度積極的に更新しているブログユーザーは、400万人近いかもしれない。それゆえ類似するタイトルも無数にある。ユーザーより更に1桁も多い閲覧者は、グーグルやヤフーなどの検索エンジンという検索システムなどを頼りに、渉猟することになる。

 サーチエンジンもブラウザーの要求に応えるべく、タイトルや本文のキーワードなどから、内容の整合性を推し測ったり、数々の手法(企業秘密)を駆使している。

 書籍タイトルだけを頼りの、ネットショピングには不安が残る。リアル書店の場合は、これを立ち読みというシステムで担保しているから、何の問題も生じない。くどい様だが、邱さんのタイトルや中身の事を言っている訳ではない。リアルとバーチャルが融合して行く過程の1例として挙げたのだ。もちろん、邱永漢さんの「東京が駄目なら・・」を購入したのは云うまでもない。いや、前書や目次などがネット公開されていれば、真夜中のオーダーも躊躇せず、ショッピングカートに放り込んだかも知れない。

 WEB2.0の兆しを感じさせるネット立読みシステムも、まだまだ進化をするだろう。著作権などに敏感な米国で、意外に受け入れられているようだ。書籍をブラウズしながら、良書を発見する喜びは格別なものがある。 愛すべき世の立ち読み族よ、リアル書店やコンビニの週刊誌、雑誌の類は、目次程度の閲覧で済ませようじゃないか。

(完)