第7話 総理の品格と面子(2)
この国のパラダイムの変化を予兆するかのようで、未来に理由のない不安を覚えた
なぜ、謝罪総理だった村山さんは「既に天皇と私が、国民を代表して正式にお詫びをしている!私は自民党の
ヨイショをするが、彼の国の指導者階級にはそういう事が言える、品格のある人物を重んじるメンタリティーの系譜が、まだ残っていると感じる時がある。両国にとって、ずい分と無駄で馬鹿げた時間だった。おそらく戦略上手な中国政府は、余程の事が無い限り、もうこれを持ち出さないだろう。それは、13億人を治める世界戦略のステージとターゲットが、とっくに他に移っているからだ。どちらの国だって
平成17年4月に日中両国の民間交流団体が、長野でフォーラムを開催した。終了後、私は村山さんを戴く会の参与を拝命している関係もあり、東京に戻る新幹線の車内で、ご一緒させて頂いた。平日の昼近くの長野新幹線のグリーン車は、主催団体の役員のお一人と村山さんの他は疎らだった。ご本人から「謝罪」についてお伺いする良い機会だと思ったが、遂に東京まで口に出来なかった。なぜ、その時言い出せなかったのか。相対して感じた小津映画の笠 智衆のような、
「村山談話」も、元を辿れば自民党の政権欲しさの「何でも有り」が発端とも言えるだろう。東京駅には迎えも無く、SPも付けずに丸の内口から、一人タクシーに乗り込む元総理の痩せて丸くなった背中を見送って、複雑な思いがするのは私だけではないだろう。
各界の著名人で賑わう、大平正芳記念賞の会場から一足先に失礼し、丸の内口で皇居方面を振り返った。私のよく知る頃の風景は、もう東京中央郵便局だけだ。日本工業倶楽部が、三菱UFJ信託銀行本店ビルに、覆いかぶされた様にビルトインされた
さて、明日は帰国だ、北京は夜半まで豪雨と雷鳴が止まない。品格モノの書籍が流行るこの頃だ。そのうちに「ヤクザの品格」を宮崎 学さんが書きそうだな。まっとうにお願いしますよ。兄ぃ。
(完)
