第15話 ネガティブ報道とポジティブ中国野菜(1)

2007.11.7

安全な作物が高く売れると知ったら、注意書きが読めない文盲の農民だって、散布の危険や高価な農薬を節約すると思うけど。

 健康オタクの友人Sから体に良いと薦められ、玄米食を始めてようやく味にも慣れてきた。先日、もう銀シャリは食べなくとも平気だと話しをしたら、意外な言葉が返ってきた。「米の残留農薬は糠の部分に8割位あるからオレは玄米食を止めた」というものだ。Sはいつの間にか栄養至上主義から、無農薬原理主義に宗旨替えをしていた。

 チョイ不良オヤジのモテ話を期待していたのに、久しぶりの一献は農薬談義で興ざめしたけど、今年の10大ニュースに国内外の食の安全が入るだろう。特にアジアや中国野菜(蔬菜)などの残留農薬の記事は新聞、雑誌で毎日の様に目にしていたような気がする。

 ブログのネタとしてはイイのかも知れないと、記事はそこそこに読んでいたが、見る見る内に中国バッシングの様相を帯び始めた。オッサンはマスコミに向うを張るほどの、見識と意気地が無いのでこれを取り上げるのに躊躇していた。

 誤解を受けても構わないが、輸入食品の残留薬物は、実は日本側の問題でもある。日本企業が現地で日本人好みの作物栽培契約や、養殖、加工、買い付けなどの管理が問われているのだ。農産物で言えば栽培知識の未熟な農民に対する、適正な農薬散布、栽培指導や残留農薬チェックに手を抜いていたからだ。世界の農作物栽培には食の安全を担保する、GAPという生産管理の手法が取られ始めている。輸入や加工業者はプロだからこんな事は知っている筈だ。

 5,6年前に現地を訪れた時の伝聞で恐縮だが、ホウレン草など栽培経験のない農家に殺虫剤のクロルピリホスを、初めに勧めたのは日本の業者だといわれていた。おそらく事実だと思う。

 当時日本では冷凍ホウレン草に、クロルピリホスの規制がなかった。この農薬問題を始めて提起したのは被害が出た中国だった。確か私が交流している中国青年団体傘下の、新聞社が伝えた様に記憶している・・・あまり自信は無いが。

 マスコミはこの辺りまで検証して欲しかった。日本のジャーナリズム魂は、立ち枯れか、根腐れ病に罹っているなら殺虫剤でもと、嫌味の一つも言いたくなる。的のそれたメディアのバッシングは、外れたふんどし姿で必死に張り手をしている様で、見ている方が何とも恥ずかしい。

 安全な作物が高く売れると知ったら、注意書きの読めない文盲の農民だって、散布の危険や高価な農薬を節約すると思うけど。

(続く)