第17話 朝青龍 お帰り、早かったね。(2)
親方から「金でも女でも、全て欲しい物は土俵の中に有る」と聞き、オッサンみたいな純情(単純)なのが夜中に土俵を掘りまくったと。
千秋楽までの3日間はきつかっただろうが、疲労骨折は無理をすれば、優勝を賭けた取り組みも出来るのだ。朝青龍はとにかく千秋楽まで休場はしなかった。件の横綱サッカーはVTRで見た限り、素人には人気者の飛び入り余興のように見える。松葉杖や車椅子でモンゴルへ帰国したわけではないし、このくらいの動きが出来るのは少しもおかしくない。
7月末に日本に帰国してから、本格的なバッシングの熱風が吹き荒れた。朝青龍は、母国政府の要請でお遊びのサッカーをした自分の行動をいくら省みても、非難の凄まじさとの間に客観的相関性が見出せなかったのだろう。悶々と一人苦悩して茫然自失に陥り心を酷く痛めた。辛かったろう。
8月29日に謹慎処分を受け、やっと故郷で心身を癒す事が出来た。再び来日して故佐渡が嶽親方の墓前に、いの一番に訪れた後は吹っ切れた。大分巡業では右足首にサポーター着けてたけど、楽しそうだったね。辛かった事は役に立ったのだと思い、全て忘れろ、忘れてください。身勝手のようだけど、それが今の横審や日本人が求める横綱の器量らしいよ。帰国の謝罪記者会見で「サッカーをしてしまった自分が悪かった」と謝罪した。一回り大きく成った様に見えたぞ。
近頃、僕らの日本人気質や思考が変容してきたようだ、きっと子供に影響するし、すでにしているな。世間に住んでりゃ相手を叩く時もあるだろうが、惻隠の情けは何処へ行った。何かに乗せられてみんな一緒に盲目になる、危うい性格をコッチも反省してみるよ。
さて、落語にあったよね。新弟子が、親方から「金でも女でも、全て欲しい物は土俵の中に有る」と聞き、オッサンみたいな純情(単純)なのが夜中に土俵を掘りまくったと。お相撲さんの夢は、まぁ〜るい土俵の中に有るんだろうね。来年は角界にいい正月が来るといいな。その前に横審より親方審議会でもつくって大掃除しなきやな!
時太山が浮かばれないぞ。そんな酷技は愛子様には観せたくない。
ブログによると、《先ごろ横綱を診察した四日市 社会保険病院(三重県四日市市)の森下浩一郎医師(40)が毎日新聞の取材に「仮病疑惑」を否定した上で、故障直後もサッカーならできる状態だったとの見 方を示した。自らも騒動の渦中にメディアで中傷され、精神的につらい思いをしたという森下医師は「私は周りの人に支えられ、仕事ができるくらいに回復した。朝青龍関はそういった居場所がなかったように見える。モンゴルで帰国治療できて良かったのではないか」と語った。》
http://nikox.blog121.fc2.com/blog-entry-19.html より引用
「第10話 朝青龍よ、早くモンゴルに帰れ!」を、ご覧になっていない方は併せてご一読を。
(完)
