第20話 「広辞苑」の耐震機能と「おしん」(1)

2008.01.13

オッサンや日本国の「チ」の揺れに、危機感を持った岩波書店の深謀遠慮かも知れないぞ。

 明けましておめでとう御座います。ブログの書き初めです。読者の皆様が今年もヌクヌクと楽しい年で有りますように、心よりご祈念を申し上げます。

 ブログを始めてからそろそろ8ヶ月になる。辞書、辞典は時々ワープロソフトの変換が怪しい時に引っ張り出す位だ。普段は本箱の一番下の棚に鎮座して、書架の耐震機能を果たしてはいる。

 件の辞典は天安門の壁のような紅殻色の表紙と、30年ほど経ているから小口や天は埃でグレー模様になっている。しかし、ページは端正に重なっているから、見ようによっては再生紙で出版した未開封の新本の様でもある。恥ずかしながら僕の知的人生が窺えるのだ。

 所有の広辞林第五版(1973年)と国語大辞典第1版4刷(1982年)は今では娑婆気も水気も抜けているけど、後者は3kg以上、合わせて5kgはある。おっと中身だったね。本や物事の本質を、目方で判断する思考方法は今年も不変だ。

 さて、「国語大辞典第1版」は「日本国語大辞典 全20巻」から25万項目を選別し、1巻2,600頁にダイジェストしてある。金田一京助、新村出、諸橋轍次などの大御所が関与した優れものだ。

 元旦の全国紙に全面広告で「広辞苑」が10年ぶりに第6版を発売と載っていた。松の内が明けてから書店をのぞいたら、記念特別定価「勉強中」のPOPの下に机上版(2分冊)と免震版?(単冊)二種類が平積みになっていた。なぜか重量も内容も同じようだが、免震版は、机上版特別定価1万2千円の約6割で7千5百円だ。

 優れた付加機能があるのに何故か破格に安い。もしかすると、オッサンや日本国の「チ」の揺れに、危機感を持った岩波書店の深謀遠慮かも知れないぞ。これは快挙の部類だろう。ITやインターネット関連の項目も収録されているが、こればかりは犬や今年の干支の歳に譬えるように技術寿命が早いのであまり役に立たない。ペーパー出版物の弱点で、この分野はイーブックスシステムが台頭するだろう。

 マスコミ情報では「6版」はこの辺りを考えて、古い言葉にスポットを当てる試みをしたとあった。「昭和枠」と呼んだ改訂作業だそうだ。「YS−11」や「おしん」が収録されていた。僕が生まれて初めて乗った飛行機が、国産初の旅客機「YS−11」で羽田空港から自衛隊と共用している東根空港(現在の山形空港?)への搭乗だった。その日の泊りは、その後「おしん」(※ここはAVです。純粋なココロでクリックをすれば、必ず良い気持ちになるよ。)制作のロケ地になった近くの最上川河畔の温泉宿に取った。

 1983年にNHKが放映する頃の僕は、仕事だけの毎日で15分の朝の連ドラを観る時間はおろか、徹夜や朝食抜きが当たり前だった。少女編の小林綾子、青春編の田中裕子は昼飯時の再放送などで時々観ていた。このドラマは大ブレークし、その後海外の60カ国あまりでも放映された。特に中国で「阿信」と反響がすごかった。

 それが縁で、1984年秋に中国政府から招待された3000人に、新中国で始めて上映された日本映画、高倉健主演「君よ憤怒の河を渉れ」の相手役、中野良子さん達や幼い小林綾子ちゃんも訪中したと聞いた。

(続く)